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ライトウエイトポリライン

AutoCAD R14から採用された新オブジェクトです。

R14で新しく増えたオブジェクトとして、

ほかにはハッチングとラスターイメージがあります。

で、ライトウエイトポリラインですけど。

文字通り、軽量ポリラインです。

2次元座標の線と円弧の組み合わせだけです。

これにより、図面容量の大幅な軽減化ができて、

AutoCADの動作も高速化するとのうたい文句でした。

そもそも、その元となったポリラインというのが難解なものでした。

3次元座標を持ち、スプラインのような曲線を表現するデータ構造を

持ってます。手元に資料がないので、詳細にはわかりませんが、

ぜんぜんイメージできないようなデータ構造が付加されることがあり、

困り者だったのです。

そういう意味ではライトウエイトポリラインの登場は、ユーザーにとっても

コンバータ開発者にとっても、有益なものでした。

さて、もっと時代をさかのぼると、R13Jのリリース時もオブジェクトが増えています。

悪名高きマルチテキストを始め、マルチライン、幾何公差などです。

マルチテキストは、ほんとやっかいです。

ワープロ的なデータ構造を持つ文字なんですけど、これが今でも悪評だらけですね。

CADの世界にワープロ的な文字は受け入れられなかったようです。

CADのデータ交換時は、ダイナミックテキストだけでも問題が多いのに、

さらに問題を増やすようなマルチテキストが登場したことは、最悪です。

また、関連のバグが多くて、AutoCADユーザーにとっても使いたくないものみたいです。

今度は時代を前に進めて、

R14の次にデータが変わったのは、2000でした。

このときは、線幅が増えたくらいで、大して変わってません。

このぐらいの時期から、データ構造が複雑になってきたのは。

表面的には線幅の情報が増えただけですが、ハンドル番号やら、

クラス名やら、どうでもよさそうな情報がないと、AutoCADが図面として

認識しなくなったのです。

DXFの読み書きのためのプログラムは、独自作成できていたのが、

OpenDWGがなくてはならない存在になったのです。

内部構造が公開されていないDWGの流通も増えてきていたので、

OpenDWGはどうしても必要だったのですけどね。

次は2004。

Autodeskが意地悪して、DWGの高圧縮化と暗号化をしました。

OpenDWGに解析されないようにしたのではないかとの憶測もありました。

2004がリリースしてから、半年後くらいですかね、何とか解析できて、

各CADベンダーにとって、OpenDWGがなくてはならないものになりました。

今年の4月くらいに、2007がリリースされるらしいです。

そろそろDWGのデータ構造が変わる時期ではないかと、予想しています。

AutodeskとOpenDWG対決です。

がんばれ、OpenDWG。

ライトウエイトポリラインのことを中心に書くはずが、

いつのまにか、DXFデータ構造変更の歴史を書いていました。

興味深い世界です。

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