サイトアイコン CAD日記

SXFのメリット

公平な観点から、DXFとSXFを比較するには、SXFのメリットについて

語る必要があると考え、この記事を書くことにした。

SXFの何が良いって、仕様が明確に公開されていること。

DXFの場合、AutodeskさんがDXF Referenceを公開してるんだけど、

詳細に書かれていない部分があったり、読む人によって解釈が違ったり、

英語がわからなかったりして、共通の理解が進まずに問題を引き起こす場合がある。

その点、SXFの仕様書は、日本語で書いてあるし、仕様書だけでなく、

実装規約というドキュメントがあったりして、誤解が生まれないようになっている。

もしCADベンダー間で解釈が異なった実装をしていた場合でも、

OCFという組織が統一見解を出して、どっちが正しいかの判定をしてくれる。

何が正しいかっていうのを、きっちりと決めてくれるのは、開発者としても頼もしく感じる。

よく言われるのは、一営利企業であるAutodeskさんの作ったCADフォーマットでは

半永久的に保持、運用することが想定されるCAD図面の保管には適さない、ってこと。

国が中心となって策定したSXFであれば、その信頼性が高まるってことだろうな。

まぁ、一理ある。

あとは、共通ライブラリの存在だな。

SXFの読み書きをするためのコンポーネントが無料で使える。

VC6でしか使えないというのは、やや幅がせまい気もするが、ないよりはいい。

開発者にとっては、ファイルIOにまつわるややこしい処理をしなくてもいいというのは、

大きなメリットだ。

ほとんどのCADベンダーは、この共通ライブラリを使ってるので、

ファイル内のちょっとした書式の違いが元でトラブルになるなんてことは皆無だ。

ユーザーにとっても、トラブルの少ないデータ形式ということでメリットがあるはず。

それから文字か。

CADのデータ交換で一番問題になるのは文字だからさ。

SXFでは、WindowsのTrueTypeフォントしか使えないことになっている。

CADの世界では永いこと、そのCAD独自のフォントを使うことが一般的だった。

CAD間で別のフォントを使うということは、文字の形状が維持できないということで、

特に文字幅が正しく渡らずに問題になる。

DXFのSHXフォントには泣かされてるよ。

その点、SXFはWindowsのフォントしか使えないから、問題が起きにくいわけ。

MacやLinuxユーザーはどうするのかって?

少数派だから切捨てか。

ということで、SXFのメリットってのもかなりある。

私個人の現段階における見解では、DXF(DWGも含めて)に分があると考えている。

何といってもDXFには長い歴史があって、デファクトスタンダードを勝ち取った

という経緯があるし、巨大企業Autodeskの繁栄はしばらく続きそうだし。

でも、将来的にどうなってるかはわからない。

歴史の浅いSXFではあるが、この先地道に地位を築いていって、

いずれは立場が逆転するなんてこともあるかもしれない。

目が離せない。

モバイルバージョンを終了