サイトアイコン CAD日記

XCLIP

外部参照またはブロックを切り取って、部分的な表示を実現する。

データ構造的には、2点の座標値からなる矩形、または

3点以上の座標値を持つ多角形、で定義されている。

さらに、前方クリップ平面または後方クリップ平面という情報もあるが

何の事がさっぱりわからない。

この機能、AutoCAD Regularのみ使用可能である。

Regularで作成したXCLIPブロックを、LTで開くことは出来るし、

その表示状態を維持することはできるが、

クリップを解除したり、クリップ範囲を変更することができない。

ブロックを分解すれば、クリップする前の状態になるが、

当然ブロックも分解されるわけで、図形はバラバラになる。

近頃、AutoCAD2008の情報が巷に出回り始めている。

機能強化内容の中に

「XCLIPコマンド:選択した境界線でクリップ」

というのを発見。

現状では、ポリラインしか選択できないところを

閉じた線分を指定できるということか?

だとしたら、大した機能ではない。

円やスプラインが選択できるなら話は別だが。

XCLIPがらみでありがちなトラブル。

1.見た目ではそれほど容量はなさそうだが、ファイルサイズがでかい

2.ブロックを分解したら、ブロック図形が巨大化した(余計な図形が現れた)

XCLIPの存在を知らないと、こんな不可解な状況に遭遇することになる。

便利な機能ではあるが、トラブルの元凶とも言える。

XCLIPされた外部参照やブロックを、クリップされた状態のまま分解するコマンド。

(見た目の状態を維持して、ブロック状態を解除するということ)

AutoCADに、こんなコマンドがあれば便利だろう。

データサイズが増えてしまう可能性もあるが、

逆に減る可能性もあり、さらにはXCLIPを知らない人にも楽に扱えるだろう。

XCLIPは、ビューポートに少し似ている。

XCLIPには尺度という概念はないが、表示する境界を持っていて、

図形はその境界で、切り取られて表示される。

レイアウト図面をモデル図面に変換する。

そんな変換ツールで、XCLIPの切り取り分解処理を実装してみた。

使用者の強い要望があったので実現したものだが、

なかなかいい機能だと自分でも満足できるものに仕上がった。

XCLIPの仲間に、IMAGECLIPとVPCLIPというコマンドがある。

ターゲットを、画像とビューポートにしたものになる。

ビューポートをクリップできるというのは知らなかった。

ビューポートでクリップした上に、さらにクリップすることができるのかと

少々驚いたが、そうではなかった。

コマンドを実行した結果は、ビューポートの境界が

作り直されただけであった。

(データ構造的にクリップ情報が付加されるわけではない)

XCLIP、なかなか興味深い機能だ。

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