サイトアイコン CAD日記

構築線と放射線

構築線(XLINE)、放射線(RAY)について考察する。
「一方向へ無限に延びる線を放射線、両方向へ無限に
延びる線を構築線といい、他のオブジェクトを作成するときの
参照として使用できます。」(AutoCADヘルプから引用)

私のかすかな記憶によると、AutoCADR13J(LT95)で
誕生した幾何図形だ。
無限に延びるという発想は新鮮であり、当時から圧倒的な
影響力を持っていたAutoCADが取り入れた機能なら、
今後のCADの標準機能として広がるのだろうと思ったものだ。
うちのCADには、こんな特性を持った幾何図形はないので、
どうやって変換すべきかを考えたものだ。
至った結論は、用紙サイズの範囲で切り取るというもの。
結果的には、ただの線分にした。
きっと、どこのCADでも同様の変換をしていているか、
無視して全く変換していないか、のどちらかだと思う。
同じ特性を持った幾何図形を用意して、互換性を持った形で
変換しているCADはまれではないだろうか。
コマンド名の意味を調べてみた。
XLINE(構築線)の X は、extensionだろう。
意味は「広がり、拡張、伸張、延長」。
RAY(放射線)は「一条の光、光線」。
実体が想像できる、なかなかいい命名だと思う。
DXFデータでの表現は単純だ。
 10,20,30 基点の座標(XYZ)
 11,21,31 単位ベクトル(XYZ)
基点から方向ベクトルに延びるのが放射線。
逆方向のベクトルにも延びるのが構築線。
ちなみに単位ベクトルとは、長さが1となるベクトルのこと。
CADの機能としては、異例なものと思えて仕方ない。
何も無限に伸ばさなくてもいいだろうと思う。
少し長めに線を引いておけば、ことは足りるはず。
オーバースペックかな。

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