サイトアイコン CAD日記

viewres

AutoCADで円や円弧がカクカク表示されておどろくことは、
AutoCADユーザーなら誰しも経験したことであろう。
AutoCADの描画が“超速い”なんて言われている裏には、
こんなからくりがあって、ずいぶん姑息なことするなものだと
大いにいきどおりを感じたのは、ずいぶん昔の話だ。
円を8角形のポリラインで端折って描画してれば、そりゃ速いわな。

AutoCADヘルプから引用。
viewres:円と円弧の表示をコントロールする
最初に、高速ズームに関する設定があるが、これは既に機能しない
オプションであり、スクリプトの互換性のためにのみ残してあるんだと。
本命の円のズーム実行時の精度は、1から20000までの値を設定可能で、
デフォルト値は1000。
オプション→表示→表示解像度→円弧と円の滑らかさ、でも設定できる。
この設定方法は今調べたことで、こんな設定がどこかにあるだろうとは
思っていつつ、実際に調べるまでのことには至らなかった。
なぜなら、REGENてやれば済むからなわけだが、とはいえ
なんどもREGENを実行することのバカらしさにうんざりしていたのも確かだ。
viewresのresはどんな由来があるのかと気になったので調べてみた。
おそらくreservationであろう。
予約という意味が有名だが、他に「控え目にすること, 遠慮, 隠し立て」
なんて意味がある。
ずいぶん後ろ向きな印象で、すばらしくマッチしたよい命名だ。
この「円のズーム実行時の精度」という情報は、図面ごとに保持される。
また、モデル空間およびレイアウトそれぞれにおいて独立した情報として保持される。
この情報が、DXFにおいてどこに保持されるかを調査した。
モデル空間の場合。
TABLEセクションのVPORT、アクティブなVPORTの中、
グループコート72(円表示精度)として保持される。
ARXでいうところの、Ac­Db­Viewport­Table­Record::­circle­Sides()。
レイアウトの場合。
ENTITYセクションのVIEWPORTの中、
グループコート72(円表示精度)として保持される。
ARXでいうところの、Ac­DbViewport::­circle­Sides()。
記憶にとどめておけば、いつか役に立つこともあるだろう。

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