ノナン

　売れっ子作家の一人、乃南アサについて書いてみたいと思います。まず名前が変わってますね。私の場合、人のこと言えた義理じゃありませんけど．．．。最初のうちは、ノナンと読んでました。妻に何度も指摘されて、近頃ようやくノナミと正しく読めるようになりました。

　今読んでる本が「鎖」。上下巻あって、下巻を半分くらい読んだところです。何の前知識もなく読んでいたところ、前に読んだことあるのでは、という感覚になりました。直木賞をとった「凍える牙」の続編でした。題名はまったく覚えてませんでしたが、前作は確かに前に読んでいました。ちなみに、第3弾として「花散る頃の殺人」という短編集も出ていて、これも読んでいました。

　警察組織における女性の厳しい立場がひしひしと伝わってきます。読んでいると、主人公の女刑事・音道への思い入れが強くなってきて、目が離せなくなります。ベテラン刑事・滝沢との掛け合いもポイントです。男中心の社会で、もがく主人公のつらさや反発心が、とてもリアルに書かれています。

　警察ものと言えば、横山秀夫も好きな作家です。警察内の特殊事情を丹念に描き出しているあたり、秀作です。最近ようやく文庫で出た「半落ち」は、おもしろく読ませてもらいました。本を読む前に映画を見てしまったのは失敗でしたけど。早く次の文庫が出ないかなー、と楽しみにしてます。

　さて、乃南アサですが、うちには30冊以上の文庫本があります。どれも面白くて、興味深いです。妻の影響で読み始めたのですが、どれもおもしろかったです。宮部みゆきに少し作風が似てるかな、とも思いますが、おもしろいことには変わりないです。鎖(下)を早く読みたくて、うずうずしてます。一日中、頭の片隅にこの本のことがある、という感じです。早く読みてー。