サイトアイコン CAD日記

まだAutoCADで消耗してるの?

日本は世界でもめずらしく、外資系巨大CADが市場を独占できない国だ。
日本の設計が、世界標準でないということでもあるんだけどね。
AutoCADは、おいらにとって原点でもあり敵でもある。
AutoCADあるいはDXFあるいはDWGがあったから、このCAD業界で
国産CADメーカーのCAD開発を20年も続けてこられたのだと思っている。
昨日、興味深いことがあった。
AutoCADのデータ(DXF)をJw_cadに渡すために、おいらが作ったある
ツールを使ったんだけど結果としてうまくかなくて、それはなんでなの?
っていう質問が開発者であるおいらに届いたのだ。
ダメもとで見てみましょうかね、なんて言いながら、目の前の仕事が
山積みになっている中でありながら、その調査に本気モードになった。
幸いうまくいかない原因はすぐにわかり、そのツールでうまくいく方法が
わかったので、その対策を教えてあげた。
「さすがDXF博士!」とほめられた。
「趣味みたいなもんですから」と、よくわからない返答をしておいた。
正直うれしかった。
この20年の継続と努力が、こんな形で発揮できて誰かのためになったのだから。
世界標準でありながら欠点が多いAutoCADは、けっこう好きだ。
好きな理由を、ユーザー視点での後ろ向きな観点で挙げてみよう。
・とにかく高くて、開発元の利益はガッポリだろう
・開発チームが日本にいないし、日本固有の要望に注力しないから、
 グローバル標準になれて世界で売れている
・先進的すぎて、その機能に付いていけないユーザーが多数いる
・レイアウト機能(ペーパー空間)なんてその最たるもので、だから
 ペーパーモデル化ツールがこの10年そこそこ売れていたりする
・どんなにユーザーライクでいいCADをつくったって、それをつくる
 人間自体がうるおわなければ、つくっている意味はない
・毎年バージョンアップして、高い金を払わされていて、その機能強化が
 ユーザーにとって直接のメリットにならないけれども、何だか持っている
 だけでえらいような気分にさせられる点で宗教がかっている
前述のJw_cadが読みないDXFの特徴に触れておく。
ブロックの定義情報が持つ基準点が0,0以外らしい。
定義に基準点があること自体が妙で、データ構造の基本なところに
反しているんだけれども、その基準点分図形がずれるという現象が
起きている。(予想)
だったら、ツールの機能でブロックを分解してしまえばいいという
提案をして、解決に至った。
Jw_cadのDXF読み込みの脆弱性であり、だからこそおいらがメシを食って
いける礎にもなっている。
でも、近々その脆弱性を明らかにして、Jw_cad開発サイドに伝えてみよう
かと思っているあたり、我ながらちょっとヘンだと思う。
誰かがいつか指摘するんだったら、おいらが指摘してみたいと思うのだ。
Jw_cadはフリーソフトで、だからこそAutoCAD以上に日本のCADメーカーに
とっての害悪になっているという話もあるんだけれども、でもJw_cadも
メシのタネになっているという事実もあったりして。。
中小の零細設計会社は、バカ高いAutoCADを使い続けられない。
宗教を信じるにも金が必要なのだ。
AutoCADの欠点を知っていて、そこから離脱しようとしている人の
ためになるべく、20年から関わる某国産CADとペーパーモデル化ツールの
開発を細々とでも続けていければと思う今日この頃だ。

モバイルバージョンを終了