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JW_CADデータを読む

 以前書いた「DWGを読む」に続いての、CADデータを読むシリーズの第2弾です。今回はJW_CADのデータ、つまりJWCとJWWのデータ構造についてです。

 JWCは、JW_CAD MS-DOS版のデータ形式です。JWWはWindows版のデータ形式です。Windows版が出たあとも、MS-DOS版は使われ続けています。DOS窓の中で動かすCADですから、この時代では非常に希少価値が高いです。JWC、JWWともにデータ構造は公開されています。エクスナレッジから出版されている本の中で、そのデータ構造が明確に紹介されています。最初にJWCについて書かれた本が出版されたときに、急いで本を買い、データコンバータを作ったものでした。もうずいぶん昔の話ですけど。

 さて、本題に入ります。JWCに関してから。4つのヘッダー部とデータ部で構成されてます。4つのヘッダー部は全て、テキスト形式で200バイト固定です。データ部はバイナリ形式で、レイヤや線や文字などの情報が詰め込まれてます。

 最初のヘッダー部の頭の部分、つまり、ファイルの先頭20バイトは以下のようになってます。

jw_cad(c)data…….a…m……………

縮尺、つまりスケールが実数で表現されてる場合は、以下のようになります。

jw_cad(c)data…….a.f.m……………

ファイルの先頭20バイトが、上記2つの形をしているかどうかで、JWCかどうかを判定できるということです。それから、ヘッダー部には線や文字などの図形の個数などが書かれてます。

 驚くべきは、図形の種類の少なさです。点、線、円弧、文字、この4つしかありません。シンプルです。こんなに単純でいいのですか、というほどシンプルです。円弧は、円や楕円、楕円弧も表現できますけど。

 寸法線がなくて、シンボル的な構造もないんです。最初にこれを知ったときは、驚いたものです。もちろん、複雑なデータ構造を持っていることのデメリットというのもあるでしょうから、単純であることはいいことなんですけど、いくら何でも単純過ぎるなー、というのが私の感想でした。

 JW_CADは、CAD市場においては長い歴史のあるフリーソフトですから、その存在感は大きいです。何とか、ビジネスに繋げられないかなーと、今現在も考えてるのですが、なかなかいいアイデアは出ないです。他CADデータとの変換プログラムを作るというのが、妥当な線なんですけど...。じっくりと時間をかけて、高品質なコンバータをつくってみようと、思ったりしています。JWWについては、また機会があったら、書いてみたいと思います。

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