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AutoCAD学生版について知りたければココを読め

AutoCAD学生版は無料で3年間使える。Autodeskのアカウントを作ってログインすればダウンロードできる。アカウントを作る際、教育版を使える立場であることを証明するために、学校名などを入力する。自分のアカウントでダウンロードの直前まで行ってみようと試してみたら「教育機関限定特典を処理するために情報が必要」と出て、会社名(学校名のことだろう)と電話番号の入力になったのでそこまででやめた。おそらくその後に自分が所属する学年やクラス名と実名を入力することになるのだろう。こうして、学生や指導者であることを自己申告してはじめてダウンロードできる。その後インストールしてアクティベーションしてってところでは、製品版と同じ手順が必要なはず。AutoCADの教育ページはコチラ。

AutoCAD学生版の制限。学生版で作成した図面ファイルをAutoCADで開くと、そのファイルが学生版または教育機関限定版で作成されたファイルであるという警告が表示される。この図面を印刷すると、教育機関限定版の印刷スタンプまたは電子透かしが表示される。つまり、仕事では使えない図面ができあがるということで、絶対的に学生しか使えないということだ。AutoCAD2019からシステム変数STUDENTDRAWINGが追加されていて、この働きによって厳密に線引きがされる。当たり前だけどこのシステム変数はユーザーが変更できるものではない。もしビジネスの場にこんな図面が入ってきたら、その提供元は信頼を失うことになる。

けっこう昔になるけど、AutoCADは以前そんな仕組みを持っていた。当時は学生版が無料ではなくて1万円程度で、同じように学生版で作った図面に印が付いて印刷時にそれとわかるスタンプが付いていた。問題だったのは図面を開くときに何もメッセージが出なかったこと。印刷というのはひんぱんにやることではないので、受け取ってから図面を仕上げていく過程ではずっと気付かなくて、いざ印刷してみようとしたらスタンプが出ちゃったということ。そのスタンプを消す方法は存在しないから、それまでにかけた労力は水の泡と消えてしまう。ウイルス的な動きと言ってもいいだろう。ちょっと主題と外れるけど、STUDENTDRAWINGがらみで以前問題が起きたのでリンクを貼っておく。
AutoCAD 2019が互換CADへ仕掛けた罠「STUDENTDRAWING」

自己申告ではあるけどしっかりと本人確認ができるレベルの情報を提供すれば、AutoCADは学生が無料で使うことができるってこと。正規のAutoCADライセンスを3年間使うなら約54万円もかかるのだから、純粋にAutoCADの操作を学びたい学生や失業中で職業訓練校に通っている人にとっては有益だ。難点は、勉強中に作った図面は再利用ができないこと。とは言え抜け道もあ。印刷時にスタンプが出るのはAutoCAD2019だけなので、2018以前で保存すれば印刷スタンプ情報が消える。メーカーからの情報なので確かなところだろう。
学生版、教育機関版の印刷スタンプを削除する方法を知りたい

こうやって、将来AutoCADを使える人間をガシガシと増やしていく戦略はエクセレント。会社に入ってから教育していたら時間も金もかかってしようがないし、学生にとってみれば入社前からAutoCADを使える状態になっていれば他の人間との差別化がはかれる。昔も今もグローバルスタンダードであるAutoCADだからできる戦略でもある。学生への教育に投資をして、その後投資した分以上のリターンを得る。日本は、中小のCADベンダーが生き残っているという点で世界的には稀有な状況だったが、いよいよ本物の黒船来航ってことになって消え去るしかないのか。

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