Vistaが世に出てしばらくたつけれど、
アプリケーションのVista対応は、
あまり進んでいないように感じる。
一番大きい障害は、UAC（User Access Control）。
Vistaをデフォルトでインストールすると、UACがONになる。
UACとは、セキュリティーを高める機能で、
Windowsへのアクセス権限を制限ユーザーまで落とし、
それを超える権限が必要な操作をしようとしたときに、
明示的なメッセージを表示して、注意を促すというもの。
管理者権限やパワーユーザー権限を持っていても
メッセージが出てくるということになる。
コントロールパネルなどで、ちょっとした設定変更をしようとしても
何度も何度もこのメッセージが出てくるので、わずらわしいこと
この上ない。しかも、メッセージが出るときは背景が暗くなるので、
注意を促すという意味ではよいだろうが、何度も出られると
嫌になってくる。
UACに関連して、アプリケーションからのレジストリアクセスが問題になる。
自作アプリでは、HKEY_LOCAL_MACHINE への情報書き込みを
行っているのだが、UACオンの場合失敗する。
HKEY_LOCAL_MACHINE はパワーユーザー以上の権限があれば
書き込みできるはずなのだが、UACがオンなのでユーザー権限
になり、書き込みに失敗するのだろう。
また、Program Files フォルダ内へのファイル書き込みでも問題。
新しくファイルを作成することはできるが、既存ファイルへの書き込みに
失敗する。これまた、ユーザー権限しかないから。
しかも、新しくファイルを作成した場合にも問題がある。
エクスプローラから参照すると、作ったはずのファイルが存在しない。
互換性というボタンを押すことにより表示されるが、
それは別の場所を参照することになる。
VirtualStore という仮想フォルダのような場所である。
以上２点から、アプリケーションのVista対応というのは
制限ユーザーでも動作するようにする、ということになってくる。
もちろん、UACをオフにすれば問題は解消されるのだが、
それで正式なVista対応ということが、うたえるだろうか？
「UACオフなら、Vistaでも正しく動作します。」
微妙なところだろう。