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RealDWG

本家本元Autodeskが介入してきました。

OpenDWGに対してRealDWGですから、何ともはや皮肉を込めたネーミングです。

http://usa.autodesk.com/adsk/servlet/index?siteID=123112&id=770257

ちょっと補足を。

2次元CADデータ交換における実質的な標準が、拡張子DWGというファイルフォーマットです。これはAutoCADという世界で一番有名なCADソフトのネイティブフォーマットで、原則その仕様は公開されていません。仕様が公開されていないのに、非AutoCADベンダーがDWGファイルを読み書きできる理由がOpenDWGにあります。OpenDWGは、Autodeskをドロップアウトした人が中心となって組織され、リバースエンジニアリングを駆使して、DWGの読み書きを可能にするコンポーネントを開発している組織です。ここからCADベンダーはコンポーネントを有償で提供を受けて、各CAD製品はDWGの読み書きを実装しているのです。

ライセンス料は両者ほぼ同じです。ただ、「Autodeskは競合会社にはRealDWGをライセンスしない。」と言っているそうです。その分、OpenDWGが有利でしょう。急にAutodeskがこんな動きをしたのは、このまま黙って自社の技術であるDWGを逆解析され続けることを嫌ったのでは、と考えます。

OpenDWGは歴史が長く、私も含めて多くの開発者に支持されています。Autodeskのこの戦略がうまくいくとは思えません。でもRealDWGの品質には興味があるので、一度評価してみたい気持ちはあります。ネックは、年間$5000払う必要があること、うちの会社はは競合会社と判定されるおそれがあることです。

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