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無効または不完全なDXF

AutoCADで、日本語の画層名やブロック名が使えない場合が
あるという話は、昔から言われてきた。
「無効または不完全な DXF の入力です。図面は破棄されました。」
という無情なメッセージが表示されて、Enterキーを叩くはめになる。
表示される行数をもとに、テキストエディタで修正する、
なんてことをよくやったものだ。
DWGよりもDXFで、またAutoCADのバージョンが古いほど、
よく発生する現象だ。
試しに「&」という全角文字を画層名にセットしたDXFファイルと
DWGファイルを、手元にあるAutoCADで開いてみた。
DWGをAutoCAD2007で開く → ○
DXFをAutoCAD2007で開く → ○
DWGをAutoCAD2005で開く → ○
DXFをAutoCAD2005で開く → ×
&以外だと、図・法・表が危険な文字にランクされるとのこと。
ただし、これらの文字を使ったDXFをAutoCAD2005で開く分には問題なかった。
Webで検索したところ、以下の文字も危険であるらしい。
¥・ー・Ⅸ・疑・擬・構・貼・暴
また、半角文字の場合は以下のものが使用できない。
<>/":?*|,=’
半角文字の場合は、AutoCADのバージョン、
DXF/DWGの違いに関係なく、開くことができないし、
AutoCAD内で入力することすらできない。
試しに「<」という半角文字を画層名にセットしたDXFファイルを
AutoCAD2008で開くことはできなかった。
(適当な画層名を入れてDXFに保存後に、テキストエディタで
 画層名のところを編集してつくったDXFファイル。)
AutoCADの歴史を紐解いてみると、おもしろいことがわかった。
AutoCAD R12Jでは、英数字しか使用できなかった。
全角、半角カナ、全角スペース、半角スペースの全てが
使えなかったというから驚きだ。
米国からやってきたCADということで、日本語に対応していない
というのは、ある意味当たり前だったのだろう。
AutoCADの完全日本語対応プロジェクトは現在も進行中だ。
画層名、ブロック名の対応はあらかた終わっているようだが、
これ以外にこんなことがユーザーサイドから要望されている。
・エクスプレスツールの完全日本語化
・日本語(全角)で数字やYes/Noを入れられるように
・半角全角変更コマンド
(AUGによる、2006年と2007年のウィッシュリストから抜粋)
日本語などの他国語に対応するのは、相当やっかいなのだろう。
AutoCAD2007以降では、UNICODEに対応したことにより、
多少そのハードルが低くなったと思われるが、
おそらく膨大な人材と時間を投入していると予想する。
日本人プログラマであるおいらには、日本語対応なんて当たり前でも、
半角文字しか使わない欧米人には、きっとつらいことなのだろう。

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