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ソフト不正使用対策

ソフトウェア会社にとって、ソフトの不正使用は深刻な問題です。身近な問題として、現状と今後を考えてみたいと思います。

 CADの業界では古くからこの問題に取り組んでいます。CADは比較的高価な価格で販売しているので、真剣に取り組んできたのだと思います。ハードウェアプロテクト方式は、プリンターポート(セントロニクス)、あるいはUSBポートに小さい部品のようなものを取り付けるものです。この部品が接続されているコンピュータでないと、ソフトが動かないような仕組みになってます。近頃では、ハードウェア方式はやや古いやり方のようです。

 AutoCADは、3,4年前からソフトウェアプロテクト方式に移行しています。ハードウェアに依存せずに、ソフトだけでライセンスを管理する形です。オーソライゼーションコードという一種の登録コードをユーザーに発行します。発行の前の段階で、ユーザーはメーカーに対して、ソフトを動作させるコンピュータの識別コードを送っているので、そのコンピュータでしか動作しないという形が実現できます。米国のAutoCADは、つい最近までプロテクトを一切かけずに、そのまま販売していたようです。使用者のモラルにまかせるということです。今ではソフトウェアプロテクトになっているようです。モラルなんていう不確かなものは、信用できないというのが結論でしょう。そしてこれにより、売り上げが伸びたのだと思います。

 OS(Windows)もそうです。2000までは、まったく対策をしていなかったのが(長ったらしいライセンスコードを入れさせるというのが対策とも言えますが)、XPからライセンス認証の仕組みが採用されています。不正使用対策をすることによって、MSの収益は上がったのではないかと思います。

 対策のやり方は多彩で、かつ手間と費用のかかるものです。Autodeskやマイクロソフトのような巨大企業にとって、その労力は小さいでしょう。また、対策による収益増加の恩恵を得られるので、十分ペイできます。弱小ソフトフェア企業においては、なかなかそういった投資が出来ないという現状があります。ソフトウェア企業の集約化と大規模化、これがプロテクト採用の動きに拍車をかけているのではないかと、予想しています。

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