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知覧特攻平和会館で聞いたとても理不尽な話

特攻隊の訓練をする学校で若者を教育していた29歳の講師が、特攻隊として志願して戦地で亡くなったことはまぁよい。その人間は戦闘機に乗る専門的な訓練を受けていなかったから、なかなか許可が降りなかった。そんななか、その妻は子供2人とともに川に身投げした。夫が心残りなくお国のために特攻隊として戦ってお国の役に立つためだった。軍はそんな事情を鑑みて、その講師の願いをかなえて特攻隊として戦地に送り、彼は華々しく散った。理不尽極まりない。

知覧特攻平和記念館で30分のスライドショーを見て、最も印象に残った話。ゼロ戦に乗り敵の戦艦に突っ込んで、敵に甚大な被害を与えるのが特攻隊。もちろん搭乗者は死ぬ。自らの命を犠牲にして敵にダメージを与えるという戦いを軍隊という組織が計画的に行ったのは、近代戦において日本だけ。究極の自己犠牲であり、世界的にはありえない考え方だった。

軍人がそんな自己犠牲精神に染まるのはありえること。その妻が同じ考え方になり協力するものもまだよい。子ども2人を道連れにしたのが理不尽。子供だけ残すのが心残りならば、妻は子供を育てるために死んではいけない。夫は、国よりも家族を大切にしなければならない。今とは時代が違うとは言え、ホント狂った時代だったんだなと思った。戦争は二度としてはいけないと思った。過去の過ちを痛切に感じさせてくれるエピソードを聞けて、鹿児島まで行ってよかったと感じた。理不尽さがまだ頭のなかで渦巻いている。

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