サイトアイコン CAD日記

RealDWG再び

昔書いたRealDWGの記事を読み返してみた。

あれから1年半以上経っているのか。

最近RealDWGが気になってしょうがない。

昨年末にこんなニュースが流れた。

「PTCとAutodeskが技術交流について合意。

両社のCADシステムを相互運用することによって...。

PTCがAutodeskの「RealDWG」ソフトウェア開発ツールキットの

使用や「DWG」技術を使ったソリューションが提供可能になる...。」

RealDWGは、AutoCADがなくてもDWGを読み書きできるコンポーネントである。

AutoCADがなくても、というのは重要なポイントであり、大きな魅力だ。

DWG解析コンポーネントは、Open Design Alliance(以下ODA)のDWGdirectが

有名であり、大多数のCADベンダーが利用しているはずだ。

DWGdirectには、いくつか問題がある。

DWGのデータ構造に変更があった場合に、対応したコンポーネントを

リリースするための時間がかかる。(過去の事例でいうと半年程度)

あとは、昨年訴訟にまでなったが、Trusted DWGの問題。

AutoCAD2007からの仕様変更で、Autodesk系のアプリケーションで保存されたDWG以外の

DWGを開こうとしたときに警告メッセージが出るようになっている。

「このファイルを使用した場合、動作が不安定になる恐れがあります。」

という極端な警告メッセージを出すようになった。

ODAは、このAutodeskの仕組みをリバースエンジニアリングによって解析して、

DWGdirectで保存したDWGをAutoCADで開いたときに、警告メッセージが

表示されないようにしたDWGdirect 2.1.0をリリースした。

その結果、ODAはAutodeskに訴えられてしまい、ODAは仕方なく仕様を戻した

DWGdirect 2.1.1をリリースした。

また、解析の正確性という問題もある。

なにぶんリバースエンジニアリングで得た技術であるため、

完全なDWG解析ができないことは自明である。

バグの発生頻度も高い。

AutodeskのRealDWGは、ODAを潰すための戦略的なものと考えられる。

技術的には、ObjectDBXという名前で昔から存在していたものを、

少し間口を広げてCADベンダーに公開し始めたものらしい。

初年度5000ドル、翌年以降2500ドルという料金体系は、DWGdirectとピッタリ一致している。

Autodeskとしては、かなり安い料金設定にしているらしいが、どう考えても

DWGdirectを意識して一致させているとしか思えない。

Autodeskジャパンは、RealDWGのサポートを行っていない。

日本のベンダーが必要なら、米国Autodeskと契約をして英語でのサポートのみ

ということになるのだろう。

契約の際には、審査があるらしいということを聞いている。

PTCじゃないけれども、相互に協力できる企業でないと契約させないのだろうか。

少なくとも敵対するような企業には、提供しないであろう。

DWGを扱う者にとって、RealDWGは大変興味を引くものだ。

一歩踏み込んで調査してみようと思う今日この頃である。

できれば、ものを入手してみたいところだ。

モバイルバージョンを終了