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将棋界は藤井聡太一色だけど、おいらにとって棋士と言えば先崎学なんだよな

週刊文春に連載していた「先崎学の浮いたり沈んだり」を愛読していた。毎週何曜日だかに必ず買う雑誌として週刊文春とAERAがあって、先崎氏のコラムはおもしろかった。スマホなどない時代で、通勤時間のヒマつぶしだった。先崎氏は羽生世代の1人であり、おいらと同い年でもある。師匠が何かと問題を起こした米長邦雄で、林葉直子は兄弟弟子。先崎氏は早熟の天才で17歳で四段昇段。小学生時代は羽生よりも強かった。羽生とは正反対にハチャメチャな生き様で、小学生から酒を飲んで麻雀を打って、ギャンブルに明け暮れていたというのだからおそろしい。羽生が「将棋はゲーム」と言って将棋界がガラっと変わったわけだが、先崎は前時代的な棋士だと言える。

順位戦が名人を決めるために1年を通して戦われるもので、プロの将棋では最も重要な戦いの場であることを知ったのは、文春のコラムだった。A級に2期在籍後にB級1組に降級したあたりのことをよく覚えている。プロ棋士だから将棋のことばっかり書いているかというとそんなことはなくて、将棋界の人間模様(特に羽生世代)や酒の席の話とかおもしろおかしい文章をつづっていた。土屋賢二氏のコラムと合わせて、文春で真っ先に読むページだった。

先崎氏は藤井聡太の初期の活躍を知らない。うつ病になったからだ。将棋界の不祥事を払拭するべく、映画「3月のライオン」の将棋監修をがんばってやり続けたことが発病した要因なののかもしれない。皮肉なことに、先崎氏がうつ病で休場しているあいだに藤井聡太が華々しく活躍して、将棋界は大きく盛り上がり復活を遂げたのだった。この本はおもしろく読ませてもらった。誰もがうつ病になりえることがわかったし、いかに重要なことがあっても体に無理をしてまで立ち働いてはいけないと心に刻んだ。
うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間 (文春文庫)

以下はマンガ版。上記の原作に忠実にマンガにした模様。これから読んでみよう。
うつ病九段 (文春e-book)

うつ病が回復して復帰した去年の順位戦は、C級1組で4勝6敗とまぁまぁの結果だった。そのC級1組で藤井聡太が10連勝で昇級を決めた。今年は3連敗と出だしでつまづいている。プロ将棋の世界では50歳という年齢はなかなかキビしい。羽生でさえ無冠という状況。しかし竜王取って100個目のタイトルを取るかもしれない。先崎氏だって、これからもうひと花咲かせてみてもいいだろう。応援している!

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