サイトアイコン CAD日記

ソフトウェアの品質管理とは何か?

今日も酒なしで退屈なんで、今日仕事をしていた中で印象深かったテーマでたらたらと文章を書いてみよう。

年に一度のバージョンアップ版リリースに向けて品質確認レビューなるものを3月の1カ月間ほどやっている。東北大震災の2011年には定例行事になっていたから、15年くらいやっている。1カ月前と言わずにもっと前からやればいいじゃんという人もいるが、いやいやこんな苦行みたいなものは期間を短くするべしと思って3月に入ってからやるようにしている。リリース延期じゃねって雰囲気が例年ただようが、延期になった試しはない。品質を確認しようという人間と戦えばいいじゃんって言う人間もいるが、そんな不毛な戦いはしたくないので、怒られ・けなされ・あやまってこの1カ月を過ごせばいいと割り切っている。

ソフトウェアにバグはつきものなんだから、バグを見つけて対応すること自体は問題ない。問題にされるのはバグの原因分析が甘くて、原因に紐づいた類似確認ができてないってこと。開発工程における設計および単体テスト仕様書のレビューが甘いんじゃないかってこと。うむ、確かに甘いな。おいらが所属する部門が変わったから、今年は品質確認なんかやらねぇだろうと高を括っていたのがまずかった。2月の時点で「品質確認やるからな」という言葉が周囲から発生して、しょうがねぇなと5回ほどのレビューをやった。その資料は外注担当とおいらが半々くらいでつくる感じで、その会の仕切りはおいらだから7割型しゃべることになる。なんでそうなるの?なんで?なんで?という質問が延々と繰り返されて、「なんでもだ!」なんて言えないから頭に浮かんだ適当なことをしゃべることになる。それをもってして、彼らはおいらをいい加減なヤツと断じる。

この15年の経験で得たのは「否定されても落ち込まない」ってこと。叱責されてダメ人間扱いされてもいいじゃんねと割り切れるようになったこと。人間関係においてマウントを取られても、くやしいなんて思わないようになったこと。15年もやってるんだから少しは進歩したら?なんてモラハラめいたことを言われても心を乱さないこと。かれこれ30年近くCADの開発をやってきたおいらなんで、少々のことではゆらがない。いや、こんなことをここでツラツラと書いているんだから、少しゆれているか。

ソフトウェアの開発ってのは難しい。教科書的な正解なんて通用しなくて、人間同士のぶつかり合い。人に影響を与えてコントロールしようとしてくる人間とどう対峙するかを試される。アホくせぇと、そこから退場するという選択肢もあったが、結局30年もやり続けている。おいらが配属された時点で十数名いたCADの開発者は全員いなくなって、おいらが最後の一人。外注さんがいるから開発を進められているけど、その外注さんが撤退しようとしている状況。それこそ20年近くやってもらっていたその外注さんすら離れていこうとしている。新しい外注さんとイチから信頼関係を築いていけるだろうか。うむ、ちょっと難しそうな気がしてきた。徐々に減っていった関係者は今どうしているのだろう。別に戻ってきてほしいとは思わない。最後に残ったおいらが貧乏くじを引いているのか、あるいは栄光の地位に登り詰めたのか。7対3で前者が優勢。一つはっきり言えることは、これまで自分らしくあれたし、これからも自分らしくやっていけそうということ。いつ終わってもいいという心構えで、ヤバそうなら逃げ出せばいいということだ。

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