サイトアイコン CAD日記

消えゆくLZH

興味深いニュースが入ってきた。
Unlha32.dll等開発停止、LHA書庫の使用中止呼びかけ
LZH書庫に対して、ウイルス対策ソフトが正しく扱うことができないことがありえ、
バッファーオーバーフローやウイルス感染という脆弱性が強まったとのこと。
Unlha32.dllを長年開発してきたMicco氏が問題提起していて、
Unlha32.dllをはじめとした各種ツールの開発を停止して、さらに
LZH書庫の使用中止を呼びかけている。
これは事件だ。
正直、はじめはピンとこなかったし、あ・そうって感じでもあった。
これだけZIPが広まっていて、いまどきLZHを使用している人は
たいへん少数派になったであろうから。
Windowsが標準でZIPの圧縮解凍に対応したことが転換点だった。
よく考えてみた。
これは、Micco氏のベンダーや各種団体への抗議であると。
長年関わってきたLZHがおざなりにされている現状と、
各種団体(ベンダー、JVN、IPA)が脆弱性として受理しなかったことへの。
ZIP形式はこの脆弱性への対応が進んでいるのに、
LZH書庫って何?という態度をとられたことへのいきどおり。
LZHが日本で広まったのは、1990年代。
当時、ZIP形式を扱えるPKZIPがシェアウェアであったこと、
LZHを扱えるLHAがフリーウェアだったことが大きい。
2000年に入り、ZIPの反撃があり今に至る。
Wikipediaによると、
「2010年現在、作者である吉崎栄泰は自身のウェブページを
閉鎖するなど、プログラマとして表立った活動はしておらず、
LZH形式の開発は事実上停止状態にある。」
とのことだ。
吉崎氏にしても、Micco氏にしても、LZHに対する長い関わりの中で、
こだわりや思い入れ、そして大きな愛が育っていたであろう。
おいらのような若輩が語るのも気が引けるが。
盛者必衰。
今、時代が終わろうとしている。

モバイルバージョンを終了