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Teighaが何なのかを知りたければココを読め

Teighaとは?

【AutoCADをまねた互換CADを作るためのエンジン】
互換CADの有名どころはIJCAD(日本)、ARES(旧JDraf・日本)、BricsCAD(ベルギー)・Draftsight(フランス)・ZWCAD(中国)。AutoCADが60万円くらいするのに対して10万円程度で買える製品を出して、各社しのぎを削っている。AutoCADの永久ライセンス版がなくなったことでユーザーが割高感を感じ始めて、セレブな企業以外では、割安でありながらAutoCAD図面を扱えて操作感が同じ互換CADに流れている。

【AutoCADで作った図面データを読み書きするためのライブラリ】
独自CADは、世界標準であるAutoCADデータ(DWG、DXF)を読み書きできないと話にならないので、そのためにTeighaを使っている。昔はTeiha以外の選択肢もあって、インド製のDr.DWG(ドクターDWG)なんて製品もあったが今はもうない。

【AutoCADがPDFを扱うのが得意だから、PDFを単独で扱う用途で利用されることもある】
PDFはAdobe社のものという印象が強いが今ではISOで標準化も行われていて、1企業のものではない。電子ペーパーとしてのデファクトスタンダードを獲得。Teighaが使っているPDF技術は、Visual Integrity社のFlySDKで実現。例えば、PDFのラスタライズを行う用途あり。AutoCAD図面にPDFアンダーレイとして配置して、描画した結果をビットマップ化するって感じ。

【OpenDWG、DWGdirectと呼ばれた時代があるが、本家AutodeskともめてDWGという名前をやめた】
Autodesk社(AutoCAD開発元)、Microsoft社、Visio社といった有名企業とのいざこざが過去にあった。Teigha開発元の会社名はOpen Desighn Allianceといい、DWGをDesignに変更した。社名が長いのでODA社とよく言われていて、その点では変更なしだった。

【企業が自前のアプリに組み込んで本数無制限で配布したいなら年間3000ドルかかる(初年度5000ドル)】
ライセンスの形態はいろいろあるので一概には言えないが、他社への自前アプリの販売ということではけっこうな金がかかる。お試し、教育、企業内の限られた人数向けであれば、一定期間無料あるいはわずかな金額(年間数万円)で利用できる。一方で、FoundingメンバーというTeighaのソースコードまでもらえるメンバーは年間12,000ドル(初年度25,000ドル)を必要とする。

【世界の約900社が有償で利用している】
日本でもCADベンダーを中心に70社が利用(※2015年時点)。Foundingメンバーには互換CADメーカーはもちろんのこと、HP社、Microsoft社、Oracle社、esri社などCAD以外を本業とする世界的企業の名前もある。

【Teighaという単語は造語でその由来は不明】
読みはティーガ。字ずらを見ればそう読むことはわかるが、初めて見て自信を持って読めるものではない。CADの開発に関わるものであればたいてい知っているが、その他の人間には何のことだかわからない。だからこの記事を書いてみたとも言える。どうしてこんな名前にしたのかは知りたいところだし、きっとどこかにその情報はあるのだろうが、それは今後の宿題としておく。

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