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清水義範おすすめ3作品

久しぶりに清水義範本を読んだのが、定年後に夫婦仲良く暮らすコツだった。現在70歳で、ペースは落としながらも今なお現役の作家。本を読むのが遅いおいらだが、たった2日で読んでしまった。少し前までは、清水義範の文庫が我が家の本棚に並んでいたものだが、今後は紙の本は読まないと決断して全部捨てた。本棚に残っているおいらの本は少年時代に買った夏目漱石が3冊だけ。今後の読書はKindleで買って読むことにした。

本当なら「バールのようなもの」「蛙男」のような名作をおすすめしたいところだが、電子書籍で出てないものは対象外とする。そうすると、どうしても最近の作品になってしまう。まぁ、そういう意味合いのリストとしてご覧あれ。


短編集。タイトルになっている「蕎麦ときしめん」は、東京と名古屋の食文化の違いをおもしろおかしく書いたもの。関西のうどんは知ってたけど、名古屋ではきしめんがデフォルトとは知らんかったなぁ。清水本の中では最大のベストセラー。パスティーシュとは、過去の有名な著者の作風をマネること。完コピしたら盗作になっちゃうから清水風のアレンジがあるわけで、そこを楽しむのがパスティーシュのおもしろさ。


幕末の会津が舞台の長編。実在しない人物を主人公にして、その周囲に実在する有名人がちらほら出てくるという趣向。時代背景をしっかり書きつつ、実在しない主人公だからこそのオリジナリティある人物描写がおもしろい。幕末から明治維新そしてその後も続く会津藩の厳しい状況をこの作品を読んで始めて知った。読後、幕末に興味が出てきて坂本竜馬や吉田松陰を知りたいと思って読み漁ったくらい。


インドの有名なタージ・マハルという建造物が作られた時代の王朝物語。初代が苦労して一からコツコツと積み上げて権力を得て、それを二代目三代目が引き継いでいくという話。兄弟間の骨肉の争い、先代を容赦なく切り捨てたりと、厳しい厳しい人間模様があるなか、愛する妻のためにタージ・マハルを長い期間をかけてつくる。栄枯盛衰物語。インドにがぜん興味がわいてきたが、実際インドに行ってみるつもりはない。我々にはインドネシアのバリ島がいいところだ。
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