上位互換

「PCI Express 2.0はPCI Express 1.1の上位互換となっており、
　PCI Express 1.1用の機器をそのまま接続することができる。」
（IT用語辞典 e-Wordsより引用）
これを読んだことが、この記事を書くきっかけだった。
上位互換と下位互換、何となく意味はわかるが、
どっちがどっちだかを理解しておらず、
自分が話す単語としてはインプットされていない。
いい機会だから、それぞれの意味を理解しておくのも
悪くないと考えた。
上位互換
　新しいバージョンのソフトウェア（上位）が、古いバージョンの
　ソフトウェアで作成したデータを扱えること。
　一般的なソフトウェアが持っているものだ。
下位互換
　古いバージョンのソフトウェア（下位）が、新しいバージョンの
　ソフトウェアで作成したデータを扱えること。
　下位製品が、上位製品でのデータ拡張および変更を見越した
　設計になっている必要がある。
　あるいは上位製品が、下位製品のデータ形式で保存する機能を
　持つことでもよい。
会社で使っているPCから異音がし始めたのは、
仕事始めの1月5日からだった。　
朝PCの電源を入れたところ、ウィーンという耳障りな音が
周辺に響き渡った。10分後には消えた。
最初に考えたのはHDDが死にかけているのかということ。
だったら、重大な危機であり何らかの対策が必要なわけだが、
日々の忙しさにかまけて、3週間ほど放置していた。
いつの頃からか、PC起動直後だけでなく不定期に
異音がするようになった。
そしてついに、画面に警告メッセージが出た。
「グラフィック機能が低下しています」というようなものだった。
グラフィックボードのファンが異音を発していることが判明した。
そして、ただ異音を発しているだけでなく、ファンの機能が
正しく働かずに温度が高くなり、機能低下を招いているのだと予想した。
これはこれで大問題で、いずれ煙が出て火事になるかもしれない。
個人で買ったグラフィックボードで火事を出したとなれば、
責任問題になるのは火をみるより明らかだ。
（デュアルディスプレイにするために、その機能を持った
　グラボを自分で買って会社のPCに接続している。）
ATI RADEON X1550

ということで、新しいグラボを買うべく情報収集を行った。
そこで出てきたのがPCI Express 2.0。
PCはPCI Express 1.1にしか対応していない。
このPCにPCI Express 2.0の機器を接続できるのだろうか。
上位互換という意味から言えば、接続できない。
下位互換を持っている必要があるが、そういった記述は存在しなかった。
だったら使えないのか。
Webでいろいろ調べたところ、使えるという記事と
使えないという記事が両方あった。
PCI Express 1.1を買っておけば間違いない、という結論を出した。
ヨドバシカメラにて。
1.1と2.0の両方の製品が売っていた。
1.1は3000円台で、メモリ256MB、ファンあり。
2.0は6000円台で、メモリ512MB、ファンなし。
「ファンなし」に大きな魅力を感じたのは当然だった。
大きな放熱板が装備されており、音がしないのだ。
でも、2.0なわけで接続できないかもしれない。
ファンありの安いのを買って、また異音がしだしたら後悔する。
接続できるほうに賭けてみたのは自然な行動だった。
買ったのは、nVidia GeForce 9400GT。
翌日、接続したところ全く問題なく動作した。
そりゃそうだ。
PCI Express 2.0対応のPCは、まだ世に出回っていない中、
PCI Express 2.0のボードがたくさん売っているということは、
PCI Express 1.1対応のPCでも接続できるに決まっている。
下位互換も持っているということが判明した。
上位互換と下位互換、その意味を頭に叩き込んだ出来事だった。