こうなったら、SXFのバージョンについても書かねばなるまい。
建設CALS/ECの一貫として生み出されたSXF。
(SXFとは、Scadec eXchange Format の略である。)
創世記から知っていたし、少しは関わってきたので、
それなりの知識はあるつもりだ。
SXFには、バージョンの前に「レベル」という考え方がある。
レベル1 |
画面(紙)上で、図面表示が正確に再現できるレベル |
レベル2 |
2次元CAD製図データの要求を十分満たし、再利用時における使い勝手が確保され、
電子納品における要求を満たすレベル |
レベル3 |
STEP/AP202における製図機能を全て満たすレベル |
レベル4 |
STEP/AP202の製図機能だけではなく、図面に表される建設分野特有の意味合いも
属性情報として付け加え、図面データの高度利用を目指すレベル |
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今のところ、レベル2までが実用化されている。
Autodeskは、レベル3をすっとばしてレベル4に
取り組んでいたようだが、今はどうなっているやら。
レベル1は、線分や円、文字などの幾何図形だけ。
レベル2は、レベル1に加えて寸法線や複合図形(部分図、
作図部品、作図グループ)を加えたもの。
レベル2において、バージョンという考え方がある。
これは、共通ライブラリのバージョンと同期している。
(共通ライブラリとは、CADがSXFを読み書きするための
プログラムライブラリのことで、CADを開発しているメーカーが
利用するもの。)
V1.0 |
ファイルの拡張子は、SXF1種類のみ。
(のちに、仕様総称のSXFとの混同を避けるために廃止される。)
仕様的には、バージョン2.0ほぼ同じだが、既定義ハッチングが 存在しなかった。
共通ライブラリの機能が低く、メモリーリークや些細なバグ多数あり。
まだSXFの知名度は低く、一般にはほどんど知られていない。
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V2.0 |
2次元CADデータが再利用性をもって交換できる仕様として、一般化。
ファイルの拡張子として、SFCとP21の2種類が取り決められた。
既定義ハッチングとして、馬踏みと45度重ねあじろが定義された。
共通ライブラリに、レベル1へのダウンコンバート機能が追加された。 |
V3.0 |
属性付加機構が採用され、図形に対して属性やターゲットを
設定することが可能。属性情報は、XML形式の別ファイル(拡張子SAF)
として保存。その他、図面表題欄、背景色、複数のラスター配置、
等高線の単位、Area_controlなど。 |
V3.1 |
新しいフィーチャー(図形)として、クロソイド曲線、弧長寸法線が追加。
図形の表示順、属性付加機構の改定など。
まだ運用が始まっていないので、詳細は不明。 |
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Jw_cad/AutoCAD/SXF のバージョン一覧
以前にも「AutoCADの歴史」 ←ここいらで触れておりますが‥
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