SXF Ver3.1では、クロソイド曲線が図形として追加される。
以下が、クロソイド曲線のデータ仕様。
配置基点X座標 double(64bits)の範囲(有効桁15桁)
配置基点Y座標 double(64bits)の範囲(有効桁15桁)
パラメータ 0<パラメータ<10の15乗
向きフラグ 0:反時計廻り 1:時計廻り
回転角 0≦回転角<360
開始曲線長 0≦開始曲線長<10の15乗
終了曲線長 0≦終了曲線長<10の15乗
データ仕様としては、けっこう単純だ。
ところが、この曲線を実際に描画しようとなるとややこしくなる。
試しに、簡単な曲線描画を行ってみようと思い、
ここ数日あれやこれやと考えていたのだが、
一筋縄ではいかないことがわかった。
らせん状にクルクル回っている感じを自分で
描画してみたかったのだが、なかなか。
いろいろな記事を読んで、私が理解したところを書いてみる。
クロソイド曲線は、道路のカーブやジェットコースターの形などで
実際に利用されている。
道路のカーブで、直線と円弧を直接つなげるとハンドル操作が
困難になるため、そのあいだにクロソイド曲線を挿入する。
直線と円弧をつなげた場合、見た目上はなめらかにつながるので、
自然な運転操作ができるのではないか、と考えるのは間違いだ。
ハンドルを瞬間的に一気に回転させることが可能であればよいが、
そんなことは物理的に不可能だし、仮にできたとしても、
乗っている人間はかなりの衝撃を受けるはずだ。
一定速度でハンドルを回転させる、これが常識的な運転操作であり、
この場合の軌跡を描いたのが、クロソイド曲線だ。
ゆるいカープで始まって、だんだんカーブがきつくなっていく。
徐々に曲率が高くなってくわけだ。
結果、らせん状にグルグル回る形状になる。
実際の道路では、そんなグルグル回る形状までは使わないけれども。
SXFでクロソイド曲線が図形として追加されるということは、
SXF対応CADはクロソイド曲線をデータとして保持する必要が発生する。
AutoCADやJw_cadなどで、クロソイド曲線を描画するための機能はあっても、
データとして保持できるという話は聞いたことがない。
大量の点列を持ったポリラインでデータを保持することになる。
SXFに対応するということは、SXFファイルを読み込んで書き出した結果のSXFが、
最初のSXFと一致しなければなない。
少なくとも、OCF検定に合格するためには絶対求められることだ。
さて、現在SXFに対応しているCADはどうするだろうか。
新しい図形タイプであるクロソイド曲線に対応するために、
データ構造を変更しなければならない。
データ構造を変更すれば、変更したバージョンで保存したデータを
下位のバージョンで開くことができなくなる。
実例でいうと、AutoCAD2007でDWGのデータバージョンが変更に
なったことにより、2007で保存したデータが2006以下で開くことが
できなくなったことがあげられる。
(気の利いたデータ構造を持っていれば、話は別だけれども。)
クロソイド曲線が、道路設計で必須の機能だというのはわかる。
専用CADであれば、当たり前のように実装している機能であろう。
CADを使う分野は製造と建設があり、建設の中の一部の
分野として道路設計がある。
SXFは建設系の業界で利用されることを前提としたファイルフォーマット
なので、製造業は関係ないとしても、それにしてもある特定の分野に
限った機能という感が否めない。
SXF Ver3.1に対応するCADがどれだけ出てくるか?
注目してみていこうと思う。
クロソイド曲線
投稿日:
執筆者:cad