CAD日記

主にAutoCADのことについて書いているけど、近頃は投資系ネタに注力している。自動売買、仮想通貨、PC関係、プログラミングなど。@caddiary

CAD全般

昭和を彩ったMS-DOS版のCADたち(AutoCAD、PC-CAD、CANDY)

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まずはみんな大好きAutoCADから。AutoCAD R13Jというバージョンが最後のMS-CAD動作バージョンで、MS-DOS5.0で動いた。ただし、当時はWindows3.1やNT3.1もあったから、Windowsでも動作するというハイブリッドな動作環境だった。リリースが1994年なので、おいらがCAD開発課に配属された時期と一致する。視野がせまい連中だったせいか、誰もAutoCADという世界的に有名なCADに目もくれなかった。大量のフロッピーディスクがあるを発見したおいらは、そいつをWindows 3.1にセットアップした。MS-DOSを起動した後に、winという命令によってWindowsが起動するという時代。R13Jと最後にJが付いているのは、Japanに特化した日本語版ということ。それでも英語の日本語訳がよくわからなかったり英語のままだったりでわかりずらかった。新規図面に線を1本書いてdxfに保存するくりのことは直感的にわかるので、その程度のことをして満足していた。目的はAutoCADで図面を作ることでなかった。AutoCADと自社CADのデータ交換ができればよいので、AutoCADの操作全般を知る必要はなかった。次のR14が出たのが1997年なので3年もバージョンアップしなかったということ。その後は2年おきくらいに新バージョンが出て、2004以降は毎年欠かさず出ている。そういや、3月末くらいになったらまた新しいバージョンが出る。バージョン2027という来年の年号になるのは、Autodesk社の決算の関係で、1月までが2026年度で2月から2027年度だったからだっけかな。

PC-CADは、一時期国内の一部ではやったCAD。もうその存在を明らかにする情報がネットにないのは残念至極。株式会社ICL研究所が開発したCADの名前がPC-CAD。DeluxがMS-DOS版で、RXがUNIX版で、WXがWindows版。無印もあったはずだがよく知らん。図面の拡張子はLD0とLM0。複数ファイルで一つの図面になるというのが時代を感じさせる。ライブラリの拡張子はLDLとLMLとLNL。リリース時期は定かではないが、おいらが配属された時点(1994年)で、CAD業界でそこそこ目立っていたのは確か。それから30年以上が経過したが、今だにたまにPC-CADのデータがあるんだけど。。って相談がある。CAD開発に配属されて最初の役割分担がPC-CADコンバータだった。32bitアプリへの移植が必要で、DOSのコンパイラと陳腐なGUIのデバッガーで開発していたっけな。VisualStudioという完成された開発環境が出るずっと前のお話し。32bitアプリへの移植はわからないなりに周囲の人間からいろいろと教わって完了した。その後、PC-CADにVer6という新バージョンが出るので、そのデータ仕様の変更を元にコンバータの改修をした。なんて開発面の話は置いといて、CADの操作面について。スペースキー押下で画面いっぱいにメニューが出るのが特徴。CADのコマンドを呼び出すためであり、これがユーザーの心をつかんだ。MS-DOSって言ったってグラフィカルなインターフェースを作ることはできるわけで、いやはな当時のプログラマーをすごいことをするよな。会社名のICL(アイシーエル)の由来はIBMだったはず。Iはそのまま、Bの一つ前のC、Mの一つ前のL、合わせてICL。IBMこそがコンピュータ系の親玉企業だったということ。そういや、ICMという会社もあってハードディスクのサードパーティーだったな。緑電子なんて会社もあったが、20世紀中に消えてしまった模様。ICLに先輩社員が出向して、CADの何たるかを学んで戻ってきたというの30年以上前の話。PC-CADからいろいろと学んだエッセンスから、Windows版のCADを開発したというのがおいらが関わるCAD。ICLという会社は15年くらい前にはまだ存在していて、Webサイトで生存確認をしていたものだが、今では跡形もない。おいらが20代の若者だった時代、フェアーに説明員として行くと隣にPC-CADのブースがあってICLの人と少し話をしたもんだ。同じ汎用2次元CADの開発者として話が合うはずだが、なにぶんおいらが若造だったので話がはずむようなことはなかった。ICLさんもそうだけど、我がCADに関わった人達も徐々に消えていってしまった。昔を知るCAD関係者として、ネットにも残っていないPC-CAD情報をこうやって残せたことに少しは意味があるだろう。

生きる伝説の天才プログラマー中嶋聡氏が学生時代に作って、3億円かせいだのがCANDY。少し前にこんな記事を書いている。
CANDYという名の伝説のCADについて調査
1983年リリースのPC98のMS-DOSで動作するCAD。当時では考えられない4万円という破格の値段で一気に広まったみたい。Windowsにも移植されて、最後のVer8.01はWindows 7のXPモードで動いていたみたい。2年ほど前にCANDYで作った図面が届いて、何とか生かせないかという話だったがそりゃー無理ってもの。1993年に販売店の営業だったおいらは、このCANDYのパンフレットを配り歩いていたように思う。CADと言ってもお絵かきソフトの一種だと思わされていたが、いやいやそんなことはなかった。作者の中島聡氏がアスキーからマイクロソフトに転身して、米国マイクロソフトでWindows 95やらIEやらのメインプログラマーになっているわけで、マイクロソフトを辞めてなお、このIT業界でスゲー実績を残しているのだから。頭はいいし金を持っていてカリスマ性が高い65歳。おいらからみるとたったの10歳上の人で、そんな人がCADの開発者だったなんておもしろいなと。バイトで入ったアスキーで、たったの半年で一人でCADを作っちまうという時点でそりゃー常人と違うということがわかる。

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